Double Persondlity
「ここでいいよ。私は全然平気」



「そう…」



名田は自分の着ていた
上着を優奈にかけた。



「ありがとう。嬉しい」



笑顔で言う優奈。



「風邪ひくと大変だから」



優奈が名田の手を握ろうとしたら右手の傷に気付いた。



「あ…どうしたの?この傷…?」



「え?ああ…別に大した事ないから心配しなくていいよ。ちょっとドジっただけ」



「今日ウチのクラス授業なくて気付かなかった。朝も風見先生しか来なかったもんね」



「そうだね…いいよ。その内治るから……けど…」



その時、冷たい風が吹き荒れた。
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