私と先生の365
電車に乗って一駅超えた時くらいに、真梨奈が突然声を上げる。
真梨奈:「あ!!しまったッ忘れた!」
「何が?」
真梨奈:「父さんの原稿!」
花:「何でそんなの学校に持ってきたの?」
真梨奈:「間違って入ってて、授業中に気付いてさ、ファイルごと引き出しに…。とりあえず、この駅で降りて戻るから、先に帰ってて。じゃあね!」
そう言ってバイバイした。
亮:「普通間違えて持ってくるか〜?(笑)」
花:「そう?花は良くあるよ〜?」
「真梨奈がなんてめずらしーね。花は常にでしょ。」
亮:「花ちゃんらしーね!」
何か、にっこり笑う亮。何か、優しくない?
ま、いっか。
それも亮だし。私だけに見せてくれる意地悪な亮を知ってるから。
なんて。
こんなに長い付き合いなのに、
いや、長い付き合いだったからこそ気付けなかったのかな?
私しか知らない亮がいるからって、どこかで自分を亮の隣にいてもいい存在だと思ってたんだ。