私と先生の365
悩むなんて私らしくない。
逃げるなんてことも私らしくない!
私は、まだ壁一つぶつかってない!
バッと私は高木先生と奈緒の前に立ち上がって、手を大きく広げた。
「先生!奈緒!…例えばさ、こんっな大きな壁がドカーンって突っ立っててさ、」
奈緒:「…うん?」
高木先生:「…。」
ポカンとした奈緒の顔と、にっと少し微笑む高木先生。
「それが、怖くて…。…逃げてたらさ、その壁が、いっぱーい出来てたんだ!」
私は、忘れてた!
こうやって、私のしょーもない話を聞いてくれる人がいることを。
例え、話の意味が不明だったとしても、一緒に考えてくれる人がいることを。
降り続ける雨に濡れながら、私の中の疑問を自分自身にも問いていた。
「…奈緒なら、先生なら、どうする…?」
奈緒:「……………うーん。一つずつ乗り越える…?…?」
高木先生:「初めの一枚から、壊す!」
「あははっ!奈緒と先生のに、賛成ー!!」
奈緒:「へ?」
高木先生:「ははは(笑)元気だな!」
ハテナだらけの奈緒と、何となく察してるような高木先生が笑う。