私と先生の365
今日は、何作ろうかな。
キッチンに立ち、冷蔵庫を開ける。
いつも、美味しそうに食べてくれる高木先生。
ふと先生の顔が浮かぶ。少し赤くなる自分の頬に気付いて慌てて冷蔵庫の中を見る。
私より、お姉ちゃんの方が料理も上手だし美味しい…。
負けず嫌いな私は何度もお姉ちゃんに追いつきたくて頑張ってたっっけ。
ふと小さい頃を思い出しながら、冷蔵庫から野菜類を取り出す。
結局料理も、勉強も、何にもかもお姉ちゃんには追いつけなかった…。
炊飯器を開けてご飯の残量を確認する。
あの時、そうハッキリ言われて、全てが崩れた。
嫌な思い出なんて誰にでもあるよね。
私にしたら、あの時がそうなのかな。
もしかしたらそれが"教師"を嫌いになった1番の理由なのかもしれない。
小皿に、ダシを取ってコクッと飲む。うん、いい感じ。
過ごしてたあの時は、自分にいっぱいいっぱいで気付いなかったけど、こうやって思い返すと、分かってくることもあるんだね。