私と先生の365
授業のチャイムがなる。
南もなんだか肩を落として、真梨奈もふんッて感じで、後は…話すきっかけさえあれば…。
…きっかけ…。
そういえば、高木先生もきっかけが何とかって言ってたっけ…。
ガラッと教室に入ってくるいつもの高木先生に目を奪われる。
ハッとして首を横に振る。
私ってば…!!
隣を見れば、やっぱり林田君は起きてノートを出してる。
やっぱり数学が好きなのかな。
林田君:「…、何?」
ハッとして林田君を見ると私の方を向いていた。
私が林田君のノート見てたの気付いてたんだ。
「ええっと…、他の授業は寝てるのに、数学だけ起きてるから、数学…好きなのかなって…。」
あんまり笑わない林田君がフッと笑う。
林田君:「好きかな…。寝てたら高木がうるせぇし。」
ふんと前を向く林田君に、思わず笑ってしまう。
私も前を向いて高木先生を見る。
高木先生の動く手、話す低い声、黒板に書いてる時に見せる大きな背中…
その全てが、私に沢山の不思議を作った。
何でこんな気持ちになるのかな?