私と先生の365
「ここ、テスト出すからな!覚えておいたほーが良いぞ!」
授業の最後に、黒板に書いた数式をトントンと叩く。
「後残りの時間は、これノートに写して、演習な!質問あったら聞くぞ。」
そう言った瞬間長嶋の右手がスッと上がり、必死な顔が俺を見る。
長嶋:「はいはいはーい!!先生!ちょっと質問!こっち来て!!」
「おお!もう写したのか?」
長嶋:「うん!写したッ!!」
は、早っ!
そう思いながら、長嶋のノートを見る。
長嶋:「それで、先生!ここの問題なんすけど!!何で答えが違うのぉ゙ーッ!!」
長嶋は両手で頭を抱え、悲痛な叫びを上げて、俺に助けを求めた。
それが面白くて思わず笑ってしまう俺につられて、クラス中も笑い声が溢れる。
「ははは!計算ミスだ!もったいないな!ほらここ!9引く2が6になってる。そこから大きくズレたんだろうな。」
長嶋:「ぬぁあ!本当だ!最悪〜!!」
そんな長嶋の肩をポンポンと叩いて
「まぁ、落ち着いてやれ!」
そう言って教卓の方へ足を運ばせると次々に質問が飛び交う。
…が、吉崎は黙々と解いているようだ。