私と先生の365
2日目
高木先生ってどうやって生きてきたの…?
殺されたって…?
いつもニコニコしてて悲しそうな顔も、今のような顔も、…見たことがなかったから、…だから高木先生はそんな過去を背負ってるなんて、想像もつかなかった。
いつも私に合わせてくれてたんだ。真っ直ぐで、優しくて…。
先生、どうして笑えるんですか?
少しの間、波の音だけが響き渡り、私の中の疑問や先生に対しての想いがどんどんと膨らんでゆく。
「安西先生…?」
あまり聞き慣れていない名前。私の学校の先生じゃないってことはすぐ理解した。
でも、高木先生の悲しそうだった表情が、安西先生の名前を出すだけで和らいでいく。
そんな高木先生の変化に、安西先生と言う人は、高木先生にとって、とてつもなく大きな存在なんだと実感させられる。
凄く気になった。
何でか、羨ましく思った。
高木先生に大きく関われている安西先生が。
私は、今まで一緒に住んでいながら、高木先生のことなんて、何にも知らなかったんだもん。
ただ、先生のことが知りたい。