私と先生の365
ピーン、ポーン …
とゆっくりと音がなる。
緊張のせいで、ゆっくり聞こえるのか、分からない。ただ、ドキドキする。
ガチャ、
とドアが開く音に、思わずバッと頭を下げて、
「あえぇっと、父成雪の娘です。1年間おお世話になります!!」
と早口で挨拶をして頭を上げるとそこには…、
目が点の高木先生。
先生:「よ、‥吉崎…?」
私も目が点になる。
「!!!!!!、し、失礼しました!」
無意識に落としていた荷物を拾い、エレベーターの方へ体を向ける。
間違いね間違い、きっと、違うマンションだよね!
間違いであることを願って、歩こうとしたその時、
先生:「ちょっ、ストップ!!!」
そう言って私の腕を掴む先生の手。
何故かカァッと熱くなる私。
腕から伝わる熱のせいだよ、きっと。