私と先生の365
そして迎えた放課後の面接練習。
私は、困り果てていた。
だって志望理由が言えない…。
面接官役は高木先生と三浦先生…。
私達は教室の外、廊下に追い出され、一人ずつ名前が呼ばれていく。
面接練習開始のよう。
書いて持ってきたそれぞれの質問に対しての回答の紙。
志望理由だけ、空白になっている。
高木先生にも、どうして行きたいんだ?って聞かれたけど言えなかった。
どうしよう。
それに、面接練習って言うだけに、教室内も、廊下で待ってる私や花、他のクラスの生徒、それぞれがそれぞれの面接試験が近いため、緊迫な雰囲気が流れている。
ああ、胃が痛い。
花もブツブツと紙を見て暗い表情をしている。
志望理由、志望理由、…。
せめて、高木先生さえいなければ…
私は、…言えるのに。
高木先生:「吉崎さん。」
教室の中から、良く通る高木先生の低い声が、私の名前を呼ぶ。
どきっと緊張の糸がピンと張られる。
操り人形のようにギクシャク。
大丈夫、これは練習。