私と先生の365
夢は…
今野真梨奈 Side
教室を飛び出し、屋上なんてどうせ閉まってるだろうし!なんて思い、行く当てもなくただ走った。
グンッと、いきなり腕を引っ張られその方向を見る。
「…賢志。」
賢志:「ゴメン。ビックリして思わず掴んでしまった。」
そう言って、パッと捕まれた私の腕を離す賢志。
「…私だって、泣く時はあんの!」
賢志:「…屋上行く?カギ持ってんだ、俺。」
「…。」
賢志:「ほら!」
グイッと引っ張られ、引っ張られるがままに屋上へ向かう。
ドアを開けると、冷たい風が頬に当たる。
賢志:「寒いな。」
「何でカギなんか…。」
賢志:「昨日、高木先生に雑用頼まれて、屋上開けっ放しだったから閉めてくれだってさ。それで、カギもらって閉めて、返すの忘れてたんだ。」
クルクルッとカギを器用に回し、キャッチする賢志。
賢志:「…で、俺は曖昧が嫌いでね、単刀直入に聞くけど…何があった?」
「…だから…別に…。」
そんな賢志に曖昧に答えようとする私は迫り寄る賢志に屋上のドアの横の壁へと追いやられてしまう。