私と先生の365
慌てて、私も高木先生の後を追おうと無意識に走り出した。
教室を出た所で、三浦先生の右手が私の右腕をグッと掴み、廊下の先にはもう、高木先生の姿はどこにもなかった。
「―…放して下さい!私も…―!」
振りほどこうとする私は三浦先生にグイッと引っ張られる。
三浦先生:「…吉崎、…君には関係のないことだ。」
グサッと、心臓に何かが刺さる。
槍で突かれたような傷みに、左手を胸に当てギュッと制服を掴む。。
「……何が…あったんですか…。」
ポツリと呟く。
また、"関係のないことだ"って言われるかもしれない。
だけど、聞かずにはいられなかった。
三浦先生:「…高木先生の恩師が亡くなられたそうだ…―。」
……………安西先生が………?
放心する私に、三浦先生は「教室に戻りなさい」と言って私を教室の中へと背中を押した。
信じられない思いと
信じたくない思い…―
どっちがどっちだか分からない。
高木先生…
大丈夫ですか…―?