私と先生の365
ふと、部屋の時計が0時を回っていた。
机の上に、用意していた高木先生へのプレゼント。
渡しづらい…。
フッと映る、手首のブレスレット。
だけど…嬉しかった。
おめでとうの言葉は、本当に嬉しかった。
カチャッとドアを開けると、キッチンの冷蔵庫を開けてビールを取り出す高木先生の姿が映る。
高木先生:「な!吉崎!!」
プシュッと缶を開ける音と共に、私に気付いた先生が声を上げる。
「…お酒ですか。」
高木:「……少しだけ…。で、どうしたんだ?」
まるで何ごともなかったように、いつもどうりの先生にムッとする。
ドキドキしてたのは私だけのような気がして。
「あの、…ケーキはないんですけど…誕生日、おめでとうございます。」
少し驚いたように、ポカンとする高木先生。
高木先生:「…俺、吉崎に言ったか?」
「あ、ええと、真梨奈が言ってたんです。」
本当は聞いたんだけど…。
高木先生:「…あ〜今野か、言ったかもしれないな。誕生日なんて聞いて来るやつ多いからな。」
そうなんだ…。先生人気らしいし、色んな生徒に聞かれてそう。