私と先生の365
成雪さん:「生きている内にもう一度会っておきたかった。」
「…相変わらずあの笑顔で笑ってました。…、奈緒さんと一度会いに行ったんです。」
成雪さん:「そうなのか?!安西先生のこと、奈緒に話していたんだね。」
「あ、ええ。」
成雪さん:「…今そっちは何時だい?」
不意に聞いてくる成雪さんに、机の上に置いていた腕時計を見て答える。
「夜の2時半過ぎですね。」
成雪さん:「そうか…調度24年前、君と出会った時くらいだね。」
「……ええ。」
成雪さん:「あ、すまない。嫌な思いをさせたかね?」
「あ、いえ…。俺は大丈夫です。成雪さんのおかげで…。」
成雪さん:「強がらなくていいんだよ。大人になるとそれが癖になるからね。」
全く、吉崎と同じことを言う。
「やっぱり、親子ですね。」
ははッと笑う俺に、成雪さんは「ええ?何だい?」と聞きながら笑っている。
「何ていうか俺は、ずっと強がって生きてきたんで、逆にそう言われると弱いんですよ。」
本当に、どうしたらいいのか分からなくなる。
成雪さん:「ははは!やっぱり、高木君はそのままが1番だね。」