私と先生の365
パタンと閉じられた単語帳の音にピクッと反応する。
この真梨奈の聞き方、カンが働くというか…ちょっと怖い。
真梨奈:「で、奈緒自身何で自分が教師に対して不信感を抱くのか…、もう気付いてんじゃない?」
「………えっと………。」
額に冷や汗を掻きながら、目をウロウロさせる。
真梨奈:「…まぁ。別に私がちょっと気になるだけで。言えとは言わないけどさ…。」
真梨奈は閉じてあった単語帳をパラパラと開けてそう言いながら話しを続ける。
真梨奈:「…ただね、自分の気持ちに嘘は付けないよ?ましてや、恋を相手にしたらもぉ自分を騙せないからね…。」
そう言うと、ブツブツと単語帳の単語を繰り返し唱え始めた。
うん…。騙せない想いをただ気付かないフリを続けて、結局私は過去に縛られたまま。
信じることを恐れてしまう。
私自身、真梨奈達に話してた時は、気付かなかった。
何で、教師が嫌なんだろうって思いながら、嫌な理由を付け足したように話していたっけ。
高木先生と過ごしていく中で、その原因にやっとたどり着いた感じがした。