私と先生の365
1年女子:「あ!恭せんせみっけ!」
え!?
き、…きょう先生?
隣の、ショートヘアーの1年女子が頬を赤くして言う。
その子の隣の子が「じゃあ、ちょっと呼んで見よーよ。」とニコニコして高木先生に向かって「恭先生」と叫んだ。
高木先生が、こっちを向く。
何だか反射的に体が先生の視線を避け、先生に思わずクルリと背中を向けた。
高木先生:「ん?吉崎?」
何故か、呼んでもない私の名前を呼ぶ高木先生。
1年の女子生徒が皆、私を見る。
「や!先生、私じゃないです!私、呼んでませんよ!」
こっちに向かってくる高木先生に慌ててそう言う私。
高木先生:「ん?あれ?お前…小山らか!」
高木先生は私の隣の子達へ視線を映す。
さっきの1年の女子生徒が、多分"小山さん"がニッコリと可愛い笑みで答える。
小山さん:「はい、せんせい!今日の数学教えて下さい。」
そう言って高木先生のスーツのシャツをキュッと掴む小山さん。
高木先生:「ん、おっけ。じゃあそこの廊下で待っといてくれ。」
何だか、心がキュッと締め付けられる。
だって!私だって…先生のこと名前で…。