私と先生の365

化学準備室







はぁっとため息をついて高木先生の方を見ると、先生の姿はなかった。



「もう!」


怒った私は、必死に皆を追い掛ける。



いつの間にか全員参加してる鬼ごっこ!



学校中を逃げ回る皆。


もぉー!!範囲広いよー!





廊下を走り、階段へ登ろうとグルッと回り込んだ瞬間


「きゃあ!」


ドンと誰かにぶつかる。


高木先生:「!!!吉崎!!!」


その声に高木先生だと気付き慌てて離れようとすると、グンッと引っ張られギュッと抱きしめられる。




一気に、心臓がドキドキと激しく動く。



うそ、ちょっと待って!



どうしよう!!



パニックになる私。



高木先生:「お前は…どんだけ俺を振り回すんだよ!」


「へ!?ちょ、ちょっと先生、ここ学校で、す、ひゃ!」


グイッと腕を引っ張られ今度は高木先生にどこかへ連れていかれる。


「せ、先生!どこ、行くんですか?私、今鬼になっちゃって…。」



私の言葉も聞かずに、着いた先は化学準備室。


少し薄暗くなったその部屋に連れ込まれるなり、ドアを閉めドンッと追いやられる。



何か先生、怒ってる!

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