私と先生の365
真梨奈:「奈緒ー。」
廊下から聞こえる真梨奈の声にハッとして高木先生から離れる。
高木先生:「…吉崎。」
高木先生の声にドキッと胸が跳ねる。
「…えっと、ま、真梨奈が呼んでます!い、行かなきゃ、」
慌てて、先生に背中を向けてドアノブに手をかけると、先生の大きな手が私のその手の上に乗る。
高木先生:「逃がさない。」
その声に、ドキッとして言葉も出なくなる。
高木先生をすぐ背後に感じる。
賢志君:「真梨奈、いた?」
真梨奈:「ううん。どこ行ったんだろ、…奈緒〜?」
賢志君:「向こうの廊下行こう。もう暗くなってきた。」
真梨奈と賢志君の話し声が聞こえる。
頬にソッと触れる先生の唇にギュッと目をつぶる。
「…っ。」
体中の神経が一点に集中する。
高木先生:「…もう限界なんだけど。」
ドキドキと激しく音をたてる心臓。
そ、そんなこと言われても!!
声も出せないくらい、頭が真っ白、顔は真っ赤。