私と先生の365
いつもどうりに見えてたなんて嘘。
時折、対向車のライトに反射して見える高木先生の顔が…いつもの余裕の先生じゃない。
高木先生:「…さっき…悪かったな…。」
赤信号でキキッとブレーキを踏んで、ハンドルに顔を埋めながら、横目で私を見る先生。
「!!」
そんな先生にさえドキドキする私は、何も言えずに暗い車内に映る先生を見てた。
高木先生:「…。」
「…。」
少しの沈黙が余計に心臓を動かせる。
信号が青に変わり再び車が走り出す。
高木先生:「…我慢してたのになぁ…。」
ボソッと呟く高木先生。
何て答えたらいいのか分からず、
「…は、…初めて、だったんです、けど…。」
高木先生:「…。…悪い、…取っちまった。」
ニッと笑う高木先生の嬉しそうな横顔に、またドキッとする。
「…何で嬉しそうなんですか!」
少しムッとする。
初めてのキス…。
だけど、ドキドキするけど、
嬉しかったりする自分にちょっと驚く。
だけどあんなにドキドキさせられちゃ身が持たない。
思い出すだけで顔が熱くなる。