私と先生の365

最後の夜





3月8日―…





そういえば調度去年、お父さんが海外へ行ったっけ。




ガチャ―…っと玄関の開く音に



タタッと、その音の元へ走る。




スーツを着こなした高木先生が、微笑む。



高木先生:「何だ?お出迎えか?」


にっと笑ういつもの高木先生。


「…。…そんなところです。お、お帰りなさい。」



未だに照れのある"お帰りなさい"にフフッと笑う高木先生。



高木先生:「ただいま。」




3年生が休みの間、1、2年生はお昼までいつもの学校。




だから高木先生の帰りがいつもより早くて嬉しい。




卒業までまだまだ先だなんて思ってたあの頃に、また戻りたくなってしまう。




高木先生:「今日のご飯は何だ?」




ドカッとソファーに座りネクタイを緩める高木先生がにっと笑ってそんなことを言う。


「まだ日も沈んでないんですけど…。今、考え中です。」



高木先生:「はは、そうか。…荷物、運ぶか。」



「え!?」




高木先生:「…明日、成雪さんが帰国する。」




お父さん、私に何にも言わないんだから!



明日だったんだ…。








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