私と先生の365
チンッと、トースターが麦のいい香りと共に音を立てる。
こんがり焼き上がったパンにバターを塗ってダイニングに座る高木先生の前に置く。
高木先生:「お!サンキュ!」
パンをくわえて、美味しそうに食べる高木先生に、嬉しくなる。
ビシッとスーツに着替えて、髪を整える高木先生。
先生いつも、髪なんか気にしないのに。
高木先生:「よし、じゃあ行ってくる!…吉崎はいつもよりちょっと遅い時間だったな!」
「はい!…いってらっしゃい。」
じゃあ、っとバタンッと足早に行ってしまった高木先生。
閉まってしまう玄関の扉に、凄く寂しくなる。
卒業式は10時から。
昨日まで、"明日"だって思ってた"今日"がやってくる。
"今日"はもう、始まったよ。
寂しすぎる。