私と先生の365
先生:「数学かぁ。」
先生の向かいに座る私の勉強ノートをチラッと見た先生はポツリと呟く。
顔を上げると、いつもと違った優しい雰囲気で微笑む先生。
先生:「俺は、本当の担当科目は数学なんだ。吉崎らには物理も教えてるが、うちの学校に理系の先生が少ないもんだからな!」
「…数学、好きなんですか?」
私は、「うーん、」と考えながら視線をノートに移し問題の解答を書いてまた、先生を見る。
先生:「おう!ここの今書いた問題にはな、色んな解き方があるんだ。吉崎が今書いてるやり方より、もっと簡単な方法があるんだ!」
「え!?このやり方しか分かんないです…。」
嬉しそうに、その簡単な方法を教えてくれる先生を見て、数学が本当に好きなんだって良くわかる。
「物理も好きなんですか?」
先生:「いや、全然!これでも苦手な方だ…。物理より化学の方が好きだな。」
「か、化学…高1の時にやったけど…。私には語句覚えるのでいっぱいいっぱいでした。」
先生:「ん、3年からも化学があるぞ!代わりに物理はないと思う。」
「え゙!!」
はははっと先生は笑いながら驚くそんな私の頭をポンポンと叩く。