ハルオレ☆ -前篇-
「そ。作り物の菅谷彼方ってコト。ちなみに本当の姿は、お腹の中までどす黒い、タチの悪いわがまま王子様なんですよね?」
( ´;゚;ё;゚)・;'.、・;'.、ゴフッ!!
その言葉で周りに漂う空気がガラッと変わった気がした。
え━━━Σ(゚д゚;)━━━!!
そ、それって…
西川さんは、彼方の正体に気づいていたって事か!?
「ね?そうですよね?王子様?」
西川さんは首を斜めに傾げて、上目使いで彼方の顔を見上げた。
「ふっ…」
すると彼方の口元が緩んだ。
「…じゃあ、話は早いね。この僕に何の用があるの?」
彼方はニヤリと笑うと、西川さんを見下ろした。
「あら?生の腹黒王子様が見れて光栄ですわ〜☆」
西川さんは彼方が本性を現したのに何一つ動揺することもなく、彼方の横をスルリと抜けて壁にもたれた。
そんな彼女がもたれた壁を、彼方はドンッと音を立てて片手で殴った。
「あのさ〜。とっとと要件言いなよ?」
こ、こいつ。
女の子にも容赦ないんだな…怖ッΣ(゚д゚;)
「あ〜〜〜〜〜!ざ〜んね〜ん!実はあなたに用はないんですよね〜。」
西川さんは両手を軽く広げ、首を横にふった。