ハルオレ☆ -前篇-
「冗談だよ!冗談!ったくよー。」
場の空気を和ませるようメガネがそう言うと、彼を中心にして笑いがあふれた。
俺はとりあえず、便乗して笑うことにした。
「あ、こっちは俺の同僚の圭な。」
今度はヤマト兄がメガネの方に手を指すと、メガネがニッコリと笑った。
「ど〜も。俺は望月圭太。みんなからは圭とか圭先生って呼ばれてるんだ。」
メガネは見た目はクールそうだが、なんだかノリが良くて軽い感じでギャップを感じた。
まぁ、第一印象は悪かったけど、俺が思ってるほど悪い人ではなさそうだな…。
「ヤマトと一緒に北洋高校の教師やってるんだぜ。よろしくな!」
「は、はい…よろしくお願いします。」
俺は教師であるメガネに頭を下げた。
心の中でメガネと呼んでしまって申し訳ないていう気持ちも含め。
するとメガネ、改め圭先生が俺に近づいてきた。
「ははは!これからは俺が手取り、足取り、いろ〜んなこと教えてやっからなぁ☆」
「は?」
俺が口をポカンと開けた瞬間、俺の手は圭先生にしっかり握られ、おまけに腰に手をまわされていた。
「こらっ!圭!遥に余計なこと吹きこんだら承知しないからな!」
つかさず、圭先生にヤマト兄が怒る。
俺は男にいやらしく触られたショックで動けなくなっていた。
「これはこれは、お怖い保護者様だ事で。」
圭先生が両手を軽く上げて、逃げるように俺から離れる。