ハルオレ☆ -前篇-
part3 障害があったほうのが萌えるのよ!
「うふ。…図星でした?」
「……。」
長かった沈黙を破ると、西川さんは首を傾げながら軽やかに歩き出した。
「それに…」
そして西川さんは、彼方の隣に並ぶと彼の耳元付近で言葉を続けた。
「脅迫されてるんでしょ?北洋高校の、理事長、に…。」
「はっ!」
西川さんに囁かれると、彼方は目を強く見開いて唇をグッと噛み締めた。
(;^◇^;)…??
何だ?今、西川さんが彼方に何かをささやいたような…。
俺には何を言ったのか全く聞こえなかったけど…。
俺がそんなことを考えていると、西川さんが『プッ』と音を立てて噴出した。
「あなたのそんな顔、ちょっと萌えちゃいそう。」
「ちっ…」
彼方は舌打ちをすると、西川さんから視線をそらした。
俺たちの間にまたもすごくきまずい何とも言えない空気が漂う。
そして、また訪れる沈黙。
うーん( ̄▽ ̄;)この雰囲気、さすがにやばいよな…。
とりあえず、ここは俺が何か言ってみようか。
「あ、あのー…」
俺は勇気を振り絞って、彼方と西川さんに声を掛けたのだが…。
『ああ?何(ですか)?』
彼方と西川さんからは、ギロリとした視線と何ともお怖い声が俺に返ってきた。