ハルオレ☆ -前篇-


「誰が保護者だ!」



「じゃぁ、お父さん!」



「それじゃ保護者と一緒じゃないか!」



ヤマト兄がふざける圭先生に激怒しているのを、俺はただ呆れて流し目で見ていた。



「もう!ほら、2人ともストップストップ!」



ヤマト兄と圭先生のやり取りが盛り上がろうとしたとき、女の子、観奈が間に割り込んだ。



「主役のはるちゃんが困ってるでしょ?」



いや、ごめん(; ´_ゝ`) 
俺、一瞬も困ってない…。



「あ、悪い。遥」



「ごめんね〜。はるちゃ〜ん。」



だから困ってないです。
そして圭先生、はるちゃんはやめてください。



「さぁ、まずは乾杯しましょうよ!」



そう言うと、観奈はいそいそと冷蔵庫に向かう。



「そうだな。」



「じゃあ、乾杯しますか。」



「はい。先生たちビール!」



冷蔵庫から缶を人数分持ってきた観奈が、俺たちに缶を手渡しする。



だがその時、俺はひとつの疑問にブチ当たった。



「あ!!…その、あの…ちょっと、いいでしょうか?」



「ん?」



缶の開け口を指で開けながら、3人が一斉に俺を見た。



「いや、これって…、お、お酒ですよね?」



そう俺(未成年)に渡されたのは、まさしくビールという名のお酒だった。
< 12 / 414 >

この作品をシェア

pagetop