ハルオレ☆ -前篇-
「う、嘘だろ?俺、ヤマト兄からそんなこと一言も…」
それに二人は、男同士じゃないか!
ありえない!そんなの絶対ありえない!
俺が混乱して頭を両手で抱えて左右に揺らしていると、西川さんが俺の隣に立って口開く。
「早瀬先生…。さすがに自分の禁断の愛の事までは話せなかったんですよ。それが例え弟みたいな存在の遠山君でも…」
う、嘘だ。
「そんな…。ヤマト兄…。」
突きつけられた現実を受け入れることが出来ない俺の目の前は、とても深い暗闇へと変わった。
そして、俺は受け止められない真実にショックを隠しきれずそのままショックのあまり体がぐらついて倒れそうになった。
―――とその時。
「おい!コレどういうことだよ!?」
西川の背後から彼方の驚いた声が響いた。
「ちょっとこれ見せてみろ!!」
彼方はそう叫ぶと西川の手から数枚の写真を奪い取ると、一枚一枚丁寧に見渡していった。
そして、一通り写真を見終えると、ゆっくりと顔をあげて西川さんを見た。
「貧乳処女…お前、いったい…?」
そんな彼方に西川さんは『うふふ』と勝ち誇る笑顔を見せる。