ハルオレ☆ -前篇-


「はぁ?観奈が良くても僕はお前が来る事を絶対認めないからな!」



「ななな、なぁんですってー!?」



西川さんが彼方の発言に発狂した怒りの声をあげたその時。



「ちょっと!彼方!」



観奈がムッとした顔をして、彼方の目の前に立った。



「別にくるみが一緒でもいいじゃない!なんでだめなのよ!」



「はぁ。…あのね、観奈。そう言う問題じゃなくて…僕はただ不愉快な気持ちで夕飯を食べたくないんだよ。」



「もう!何子供みたいな事言ってるのよ!そんなこと言うんだったら彼方のご飯は抜きだからね!」



「はぁ?なんで僕がご飯抜きになるんだよ!」



「そんなのあたりまえでしょ!ご飯は私がみんなでって誘ったんだから…!」



観奈はそう声を張り上げると、『それに』と言葉を続け、



「私、あまりみんなでご飯なんて食べたことないし、この機会にはるちゃんやくるみとだってもっと仲良くなりたいし…。」



観奈はムスッとしながらも、大きな瞳を潤ませて彼方から目線を逸らす。



「観奈…。」



すねる観奈を見て、彼方は少し動揺しているようだった。



「そんな意地悪する彼方なんて、もう知らないんだから。」



観奈がはっきりそう言い放つと、彼方は戸惑いを払うかのようにキッと唇を軽く噛み、そして大きなため息を落とした。

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