ハルオレ☆ -前篇-
「はぁ…。…わかった、わかったから!今日のところはは我慢してやるよ。」
「え?本当!?」
観奈の顔がパァっと明るくなると、彼方はまたため息をはいて、
「ったく!本当に今日だけだからな!」
軽く自分の頭をかいたその瞬間、
「えへへ、良かったぁ。彼方、ありがとう。」
観奈は嬉しそうに彼方の腕にギュッと抱きついた。
「…ふん。」
彼方はそう唸っていたが、どこか表情が和んだ気がした。
それからすぐに観奈が彼方から離れると、
「ふっ。さすがの天下の腹黒ドS王子様も観奈の言うことには従っちゃうんですねぇ☆」
西川さんがやたらニヤニヤしながら口を開いた。
俺はその西川さんの言葉に納得した。
あの俺様でワガママな彼方が、観奈の言う事はしぶしぶではあるが聞くなんて、正直驚いた。
さすがは幼馴染みという所なのか…?( ̄▽ ̄;)
まぁ、幼馴染みというよりは『恋人同士』みたいな感じがするけど…。