ハルオレ☆ -前篇-
「ほら、昨日話しただろ?」
俺がソラをじーっと観察しているように見ていると、風間がそう言った。
「このクラスに、カリスマモデルがいるって…」
カリスマモデル?
あ、そうだ。
そんな話、昨日聞いたな。
「なかなか学校に来ることはないのになぁ。遥はラッキーだったみたいだな」
俺は風間の言葉が不自然に感じた。
なぜなら昨日風間が俺に言ったことと少し矛盾していたからだ。
「そうなの?でも風間は、昨日俺に『遥ならすぐ会える』って言ってなかった?」
俺がそう言うと、風間はあれ?と少し考えると、急にあせりだした。
「あっ!しまった!俺そういや言ったわ。あっちゃ〜、忘れてた…。」
風間がやらかした表情をして、俺から目をそらした。
なんだよ?
やっぱりなんか意味があるのか?
俺はカリスマモデルとすぐに会えるっていうのは。
「なんだよ?そろそろ教えてくれてもいいだろ?俺がすぐ会える理由!」
「だ、だ、だめだめ!まだお楽しみはとっておきたいんだ!なはははっ」
またごまかそうとする風間だが、俺は絶対聞き出してやりたくなった。
すると、その時。
「おっほん。それでは私が遠山君にその理由をお話いたしましょう。」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「げっ!西川!」
それは、まさしく西川くるみの姿であった。
風間は、西川の姿をみると顔をひきつらす。
そういや、西川さん。昨日は学校休んでていなかったみたいだけど、同じクラスだったな。