ハルオレ☆ -前篇-


「あ〜!室長、おはようございます!」







西川さんがそう言って、俺は後ろを向いた。
そこにいたのは、ふち眼鏡が特徴の、このクラスの室長である日高愛穂だった。







「あら、西川さん。おはよう。しばらく学校来てなかったけど大丈夫だったの?」







愛穂は西川さんを見ると俺達のいる方に歩きだした。







「はい♪大丈夫です(´ε`)ちょっと用事があってお休みしましたぁ!」






西川さんが昨日学校を休んだ理由は、用事…か。
いったいこの人は学校を休んでまで何をしなきゃいけなかったのだろう?







むしろその理由を本人に聞いたところで、きっと有り得もしないろくでもないようなことを言うに決まっている。
だからこの話には触れないのが一番な気がする。







「そうなの…。あまり休みすぎて留年しないようにね。」







西川さんの裏の顔を何も知らない室長は心配そうに彼女をなだめる。







「はい。ありがとうございます。」







西川さんは愛穂に満面な笑みで軽くお辞儀をした。








はぁ…(;´∀`)
何も知らないって本当に幸せなことだなぁとつくづく感じるな。



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