ハルオレ☆ -前篇-
しかし、それはさて置き。さすが室長というか、愛穂は誰にでも優しいんだな〜。
「おい愛穂〜。宇宙の奴どうするんだよー。もう授業始まるぞ?」
俺が西川さんと愛穂の話を立ち聞きしていると、風間がそう言った。
そうだ!あのカリスマモデル!
教室を出てってそのままだった。
大丈夫なのかな?
「あ、そうね。まぁ、いつものことだからきっと戻ってくるとは思うんだけど。」
カリスマモデルが、すぐに教室を出て行くのは日課のようだな。
人気者は、ホント大変なんだなぁ。
「まぁ、それもそうだな。じゃあ、気長に待つか。」
「うん、そうしますか!」
風間の後に続くように、西川さんがそう言った。
「お前が言うなよ!」
西川さんに風間がつっこむと自然と周りに笑いが起こる。
「じゃあ、そろそろホームルームが始まるから席に戻りましょうか。」
愛穂がそう言ったので、ふと時計を見ると朝のホームルームの時間まで、5分を切っていた。
俺達が教室に入り、それぞれ席に着こうとすると、ちょうどタイミング良く担任のヤマト兄が教室に入ってきた。
「みんな、おはよう!朝のホームルームを始めるぞ!」
ヤマト兄は教壇に立ち、出席簿を開く。
席についた俺というと、机にひじをつき、頬に手を当てた。
ああ、今日も俺にとっての長くて短い一日が始まる。
今日一日は、平和であるように祈りたいぜ。
度重なる不幸故、そんなことばかり考えてしまった朝のホームルームだった。