ハルオレ☆ -前篇-
「まぁ、それなら時間も経っているし、大丈夫だと思うよ。もうしばらく様子を見て、もしも具合が悪くなったらすぐ病院に行くようにね。」
藤岡先生はニコリと笑うとベットから離れる。
うわ!藤岡先生がまるでお医者さんに見えるよ!∑(°∀°)
てかこの人、いったい何者なんだろう。
俺が不思議そうに見ていると、藤岡先生がそれに気づいたのか口を開いた。
「なんだ?そんな心配そうな顔をしないでくれよ。僕はこう見えて、医師免許を持ってるんだ。よっぽど大丈夫だよ。」
え!?い、医師免許!(゚ Д゚;)
藤岡先生って本当はお医者さん?意味が分からないぞ?('◇')
「ああ、そうだ。自己紹介がまだだったねぇ。僕は、藤岡慎太郎。この北洋高校の理事長と保健医をしているんだぁ〜。」
藤岡先生が手を差し延べてきたので、俺は反射的にその手を取り、ぎゅっと握った。
「あ!彼方。僕が理事長って遠山君に言っちゃったけどよかったよね?」
藤岡先生が彼方に視線を送ると、彼方は顔をひきつらした。
「…そんな、言った後に聞かないでよ。まぁ、遥は問題ないんじゃない?」
その言葉に俺は首を傾げた。
「え?藤岡先生が理事長ってことは、その、周りには秘密なんですか?」
言っちゃったけどよかった?ってそういうことなんだよな(^ω^;)
「秘密というか、保健室の先生が実は理事長なんて言ったらさ〜、学生は保健室に来づらいんじゃないかと思ってさ〜。だから、ほとんどの学生は僕が理事長ってことは知らないんだ。」
保健室の先生が…実は学校の理事長。
でもそれは秘密って…。
なんて面倒くさい(゚ Д゚;)
そこまでするなら、他に職員を雇えばいいのに…。
彼方が怒るのも無理ないな。