ハルオレ☆ -前篇-
「ちょ、やめてください!!!お、俺っ!!」
俺は、とっさに顔をしかめて唇を避けて、圭先生の両腕を精いっぱい握り、情けないことに弱冠涙目だが、必死で訴えるように圭先生を見あげた。
すると、圭先生の腕の力が緩んだ。
「クっ…クククッ」
そして、プッと噴き出して笑い始める。
「はははっ、あ〜おもしれぇ〜!」
「え?」
「お前、もしかしてマジだと思った??」
圭先生の言葉で俺は目を開けて顔を上げた。
「ば〜か。さすがの俺もいくら性欲が溜まったからって男に手を出すわけないだろうが!」
「そ、そうですよねー…」
よ、良かった…(^ω^;)
そうじゃなかったら俺、今頃この物語の主役辞退してやるところだったよ。
「お前が、ついついかわいい反応するからいじめたくなったと言うか…。なんだか前にヤマトが言ってた、『遥をからかいたくなる気持ち』ってやつがわかった気がするな。」
圭先生は、俺から少し顔を離すとしみじみ感じているようだった。
そういや、ヤマト兄に少し前に同じようなことを言われたな…。
それに彼方は俺のこと完全にいじめの対象としてるし…
てか俺をからかいたくなる気持ちって何だよ?
はっ!もしかして俺っていじめたくなるタイプなのか?
てかそれなら、俺にとってはまったくもって迷惑な設定なんだけど…。
俺がうだうだと考え事をしていると、なぜか圭先生はまた俺の顔に近づいてきた。