ハルオレ☆ -前篇-
「まぁ、この寮は北洋高校の理事長が作った寮だからかわかんないけど、やたら作りが凝ってるんだよなぁ。」
風間は、そう言いながらシャワーの前の椅子に腰かけて、シャワーの蛇口をひねった。
「へぇ、そうなんだ。」
てか、この学生寮って、あの藤岡先生が作った寮だったんだ。
「あ、そういえば…」
俺が風間のとなりのシャワーの椅子に座ると、風間が何か思いだしたのかそう口開く。
「何?」
「今日の昼は…宇宙探しを手伝ってくれてありがとな。」
「え?」
あ、そっか( ̄▽ ̄;)
思えば今日の昼にカリスマモデルを探してたのは、そういや風間からの依頼だったな。
「しかも、その宇宙探しの最中に遥の頭にボールが当たったんだよな…。なんか頼んだ俺せいだよなってずっと思ってたんだ。本当にごめんな。」
風間はそう言うと、頭を下げた。
「な!ちょっと風間!いいよ!そんな、謝らないで!」
「いや!謝らせてくれ!俺にだって責任あるから。」
風間は、さらに深く頭を下げた。
俺は、そんな必死の風間に弱冠あせりながら首を横に振った。
「もういいよー。ボールが当たったのも俺がボーっとしてたのが原因だしさ。俺、結局何ともなかったんだし…。」
すると風間はガバッと頭をあげた。
「ほんとか?お前、本当に何ともなかったのか?」
風間が真剣な表情で俺に言った。
よっぽど俺のことを心配していることが伝わってくる。