ハルオレ☆ -前篇-
すると西川さんは、もどかしい表情をして、親指の爪をかんだ。
「情報がつかめないというか、まるで誰かに観奈の情報をロックされてるような…。」
あの〜。
情報をロックって単語自体、映画やドラマとかでしか聞いたことないんですが…。
ていうか、そもそもその情報を西川さんはどうやって入手してるんだろうか( ̄▽ ̄;)
はぁ…まぁ、今さら考えても結局謎が深まるだけだからやめるけど。
「でも、情報、情報って…それって例えばどんなものなの?」
俺が聞くと、西川さんは人差し指を唇にあてて口開く。
「そうですね。主に観奈がこの蘭藤荘に入る前の情報です。例えば、彼女の素上、本名、ほとんどががわからない。いわゆる迷宮入りって言っても過言ではありませんね。」
西川さんはそう言うと、俺にビシッと人差し指を向けた。
「だから観奈は、名付けて!蘭藤荘の謎の管理人!みたいな?」
「…謎の管理人?」
たしかに圭先生や彼方とはよくわからない関係であって、過去の情報がつかめない。
っていうか、思えば思うほどだけど、観奈って何者なんだよ((((;゚Д゚)))
なんでそもそも、そんな人物が蘭藤荘の管理人なんだよ!?
この学生寮はっ!