ハルオレ☆ -前篇-
part3 忘れられた恋人達
あ…。そうか。
さすがにこんな時間に女子生徒を部屋に入れてるとなると、教師であるヤマト兄には怒られて当然か。
って、西川さんが勝手に俺の部屋に来たんだけどな…。
「ご、ごめん。ヤマト兄。じ、実はさ…」
俺が事情を話そうとしたその時だった。
「…遥が……遥がこんな時間に女の子を部屋にいれるなんて…」
なぜか突然、ヤマト兄は首を何度も横に振り、ブツブツと呟きだした。
(; ´_ゝ`) …ヤマト兄。完全に俺の事スルーしてる。
そして、ここからヤマト兄の思いこみがエスカレートしていくのだった。
「いや!こんなの俺の遥がすることじゃない!不純だ!何かの間違いに決まってる!」
ヤマト兄が叫んで、両手で頭を抱えた。
(^ω^)俺の遥?
「…ぁ。それとも俺の知らない間に遥がこんな不純に成長していたのか…?」
少し錯乱しているヤマト兄が、俺のことじっと見ている。
うわ━━(゚Д゚;)━━!!
完全に誤解を招いてしまったよ━━(゚Д゚;)━━!
「はっ…。もしかして、すでに西川さんとそういう仲に?」
ヤマト兄が小さい声で呟くと、西川さんがそれはそれは嬉しそうに口開いた。
「はい。私達!早くもそういう仲なんです☆」
この誤解の難解度を上げる、問題発言を。
その瞬間、ピシッと空気に亀裂が入った気がした。
そして、ヤマト兄の瞳が真っ白に染まっていた。