ハルオレ☆ -前篇-


「言っておくけど、お前が思ってるほど世界は純愛で出来てなんていないんだよ。それとも男と女が付き合わないとセックスしてはいけませんって法律があるとでもいいだすつもりか?」







「そ、そうじゃない!でも俺は、それは絶対におかしいと思ってる!」








「お前さぁ、さっきからおかしい!とか、間違ってる!って言うばかりじゃないか。だったら、何が正しいのか、間違ってる僕に教えてくれないとね?」








「え!?だから、それはさっき、うまくは言えないけどって…。」








たしかに何が正しいのかはわからないけど…。








しかも、それをうまくも言えないけど…。








俺は自分でもよくわからないけど、とにかく今の彼方の意見だけは素直に受け入れることが出来なかった。







俺はこんなに真剣に考えている矢先に、彼方はまたもや俺を見て笑いだすのだった。








「はぁ〜。お前本当に面白いやつだなぁ。」







「俺はまったく面白くない!」








俺が叫ぶと、また彼方が腹を抱えて笑いだす。








「あははは。遥〜。頼むからもう僕を笑わせないでよね。あはは。…あ、そっか。そういうことか…。」








「な、なんだよ?」








俺が不振な目で彼方を見ると、彼方が笑いをこらえながら口を開いた。







「どおりで、やたらと綺麗事ばかり並べてきたうえ、僕に反論すると思ったら…。」








彼方の言葉に俺は息を飲んだ。








「お前…さては今まで恋愛した事ないだろ?」








「え?」








彼方に指でビシッと指摘され、俺はビクッとしてそのまま体を硬直させた。
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