ハルオレ☆ -前篇-
ガチで冗談じゃないよ!
もう俺はどうすればいいのか、完全に自分を見失ってただそこに茫然と立っていることしかできなくなった。
その時、ふいに観奈の右足が動いた。
「あんた!いい加減にしなさいよ!」
また叫んだと思ったら、観奈は動かした右足で彼方の左足をはらうように蹴った。
「うわっ!」
彼方は体のバランスを崩すが、そこを狙うように観奈が彼方の胸倉をつかんでそのまま背負い投げをする。
すると彼方の体が少し宙を舞い、ドガッと音を立てて床に叩きつけられる。
「彼方…。調子に乗るのもたいがいにしないと殺すわよ?」
倒れる彼方を見下ろす観奈の姿はまるで鬼のように恐ろしいものだった。
てか!観奈めちゃめちゃ強いじゃんか(^ω^;)
昔、柔道とかそっち系やってたのかな?
「イテテテっ…」
彼方は痛がりながらもすぐに腰を押さえながら立ち上がった。
「まぁまぁ、観奈そんなに怒らないでよ?」
「はぁ〜〜!?怒るに決まってるでしょ!」
こんなことしたんだ、彼方の奴、観奈に簡単には許してもらえないんだろうな…。