ハルオレ☆ -前篇-
「へぇ。そうなんだ。風間がねぇ…」
相変わらず風間には感心するけど、俺はわざわざ謝りにきてくれた未咲君にも感心させられるな。
さっきは彼の事を活発的みたいなことを思ったけど、見た目以上にしっかりした礼儀正しい子なんだなー。
俺がそう思ったその時だった。
「は~るかっ☆」
俺の背後から声が聞こえ、俺は振り返る。
「何してんの?」
振り返ったそのすぐ後ろには彼方がいた。
「ああ。彼方。実はさ…」
俺が今の状況を説明しようとしたその瞬間…。
「すっ!菅谷彼方ぁ!?」
突然、未咲が彼方の名前を叫んだ。
未咲の声で廊下が一瞬静かになり、少しざわつき始める。
俺は事態が飲み込めず、口をポカンとあけた。
「なっ!ななな、なんでお前がここにいるんだよ!」
「み、未咲っ!だめだよ。ここでそんな大きな声を出しちゃっ…」
彼方に突っかかるように前に体を乗り出す未咲を、希沙羅は必死で止めるように両腕をつかんだ。
(;゚ Д゚) …ど、どういうことだ?
いったい、何が起こったって言うんだ?
俺がさらに混乱し始めたその時、俺の後ろからフフッと笑い声が聞こえた。