ハルオレ☆ -前篇-
「だからさ、未咲。もっと頭を柔らかくって昔からよく言ったでしょ?…もう高校生なんだからちゃんと学習しないとね。」
「クソッ…俺はテメェの事絶対許さないからな…」
彼方に押さえつけられ動けなくなった未咲がキッと睨んだ。
「彼方さん…。僕もあなたのことを軽蔑しました。」
後ろからそう聞こえ振り返ると、そこには怒りを抑えている表情をした希沙羅が唇をかみ締めていた。
「ふふっ。どうぞご自由に☆」
そんな状況にも関わらず彼方は笑った。
それはとても楽しそうに…。
((((;゚Д゚))))相変わらず最恐だぜ!彼方さん!
キーンコーンカーンコーン…。
その時チャイムが鳴った。
すると、彼方が未咲から手を離した。
「まぁ、これでわかったと思うけど、これ以上僕には関わらないでね。」
未咲は崩れた体制を整えると、軽く制服についたほこりを手で払う。
「…ああ、上等だ!」
「ふふふ、これからはお互いが気持ちのよいように行動しようね。それじゃあ…。」
彼方は双子に背を向けて、廊下を歩き出す。
「ほら、遥。ボーとしてないでよ!早く教室戻らないと遅刻するよ!?」
ボケーと立ち尽くしている所に彼方の声が聞こえ、俺は我に返る。
「あ!う、うん。」
焦って返事をしたが、彼方は俺に構わずスタスタと先へ行ってしまう。