ハルオレ☆ -前篇-


「でもさ。そんな菅谷君と仲がいいなんて、なんだか遠山君がうらやましいな。」







愛穂の何気ない言葉に、俺はハッとした。







「え?室長は、その彼方と仲良くないの?」







「仲良くないって言うより、ほら、菅谷君って雲の上の人物というか,日常的な会話はあっても、特に腹を割って話したことがないのよね。」







ああ、なるほどね。
彼方の奴、学校では完全優等生の王子様を演じてるんだ。
本当の自分を隠してるんだから、腹を割って話す余裕なんてきっとこの学校の生徒には与えないんだろうな…。







「それに菅谷君事態がクラスに溶け込むってキャラじゃないと思うの。気のせいかもしれないけど、自分からは人と関わらないようにしてるって感じがするのよねー。私たちには心を開いてくれないと言うか…」







うわー。彼方の本当の姿を知らない割には、室長、結構いい線までつかんでるな。








「あ、別に彼を悪く言ってるわけじゃないのよ。みんなに好かれてるし、頼れる存在だし、彼も快く私たちに肩を貸してくれるし…。」








すると愛穂は『でもね…』と言葉を続けた。







「そんな菅谷君だけど、遠山君だけは違うなーって思った。」








「え?俺?」







「うん。正直、菅谷君がそんなに人と仲良くしてるのを見るのは初めてかも。」







(;゚ з゚)・.:'`;:ブッ
周りからは、俺たちそんな風に見えるんですね。
てか室長…。俺も含めてクラスのことをよく見ているな。







しかし、俺と彼方が仲がいい、か…。








それは完全に誤解だよ、室長!
なーんて言いたいのも山々だけど、そんな事は言ったら彼方に何されるか分からないよな…。



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