ハルオレ☆ -前篇-
「はるちゃん…。」
「よかった。生きてた…。」
「う、うぅっ…。」
観奈の意識が戻ってすぐ、彼女は顔をしかめて気分が悪いのか、急いで口に手を当てた。
「ちょ、大丈夫!?もしかして気持ち悪いの?」
俺がそう言うと、観奈は2、3度強く頷いた。
おいおい、大丈夫かよ!?
なんだか体も熱かったし、もしかして胃腸風邪とかかな?
「はるちゃん……み、水……。」
観奈の弱弱しい声が聞こえてきて俺の焦りはさらに増した。
「え?水?水が欲しいの?」
観奈は先ほどのようにまた頷く。
ど、どうしよう。
水が欲しいと言われても…。この辺りですぐ水があるのは…
俺はオロオロしながら周りを見渡すと、ある事に気づいた。
そうだ!食堂っ!!(`・ω・´)
たしか、食堂には小さな流し場があったはず…。
俺は観奈を両手で抱き上げると、食堂に駆け込んだ。