ハルオレ☆ -前篇-
「あれ?遠山君?」
後ろから俺の名前が呼ばれた。
今日はよく呼ばれる日だなと思い、俺は振り返る。
その瞬間、俺は目を見開いて驚いた。
そこには、亜麻色の髪の男子生徒…あの彼方がいたのだ。
なぜ彼がここに?Σ(゜д゜;)
動揺してその場に立ち尽くしていると、彼方が嬉しそうに俺の方駆け寄ってきた。
「編入生の遠山君だよね?」
彼方にそう尋ねられて、俺は突然のあまり声が出ず、ただ頷く事しか出来なかった。
「後ろ姿だったから不安だったけど良かった。合ってて。」
「え、えっと…。」
やばい。どうしよう( ̄▽ ̄;)
今日、風間たちから彼方が頭脳明晰、容姿端麗な学校のアイドル的存在だと聞かされたばかりで、俺は変に緊張してしまっていた。
「あ、ごめん。僕はまだ遠山君に自己紹介してなかったね。」
俺が動揺しているのに対して、彼方は社交的でそれどころかどんどん話し掛けてくる。
「僕は、菅谷彼方。君の隣の部屋に住んでるんだ。」
彼方がニッコリと微笑んだ。
「え?俺の隣!?」
俺が思わず驚きの声をあげたその時には、彼方はもう俺の目の前に立っていた。
。
その事に今気づいた俺はハッとして、つい顔を赤めてしまった。
そして、俺を見つめる彼方から少し目線を逸らした。