ハルオレ☆ -前篇-
「あ、そういや。彼方、早かったけど。もう練習試合終わったの?」
宇宙が電話をしている間に、タイミングが良さそうだったので、俺は彼方にふと思った疑問をぶつけてみた。
「うん、まぁ終わったって言うか、正確には抜けてきたんだけど。」
彼方の言葉に俺は眉を寄せる。
「抜けてきた?え?試合って、途中で抜けれるものなの?」
俺が次の質問すると、すぐに彼方が頷いた。
「ああ。それなら僕が練習試合の前半で、余裕で相手チームに圧勝出来るくらいの点数を取っておいたからね。後半はこちらからお願いして辞退させてもらったわけ。」
「へぇ、なるほどね…………。」
って!!
(;゜∀゜)おいおいおい!
そんな余裕で圧勝出来る点って、前半でどんだけ取ったんですか!?
「でもさー。だからって別に後半試合を辞退する必要はなかったんじゃないの?」
俺は彼方が後半の試合を辞退する理由が全くわからなかった。
「僕だって最初は辞退する気なんてなかったよ。」
「なら、どうして…?」
すると彼方が『ふふっ。』と乾いた笑いを溢す。
「実は非常に迷惑な話なんだけど、試合前に僕宛てにどっかの誰かさんからの不可解なメールが届いたんだよ。」
「不可解なメール?」
俺は首を傾げた。