ハルオレ☆ -前篇-


俺が納得いかずいろいろ考え詰めていると、ヤマト兄が口開いた。







「いや・・・多分日本の試験とアメリカの試験の問題に対する受け取り方の違いだと思うが、特に英語は文法をまったく無視しているうえに、その・・・速記すぎて読めないから×だそうだ。」







「速記…?」








ヤマト兄が教えてくれたその紛れもない事実に俺はさらに絶叫する。







「うっ!うそでしょ!絶対間違ってないし!速記だってアメリカじゃ当たり前だよ!!」







だいたい文法なんて関係ない。(T-T)
用は相手に伝わるか、伝わらないか!なのに…。







そう思っていた俺だったが…。







ヤマト兄は首を横に振った。







「遥…。日本では学習中の文法が決められているから仕方ないんだ。採点者が読めない字は、答えが合っていても×にされる事だってある。」







「で、でも…。」







「気持ちは分かるが、追試は受けてもらうからな。」








「そ、そんなぁ…」







納得出来ず俯いた俺の頭をヤマト兄はポンポンと軽く叩いた。








「追試は来週だから、しっかり勉強しておくんだぞ」







「ううっ…最悪だ。」








俺は目に涙を溜めて、肩をガクリと落としうつ向いた。



< 314 / 414 >

この作品をシェア

pagetop