ハルオレ☆ -前篇-

「ね、ねぇ!!?ヤマト兄!それいつの話!?」








俺は少し体を前に乗り出すと、ヤマト兄が驚いた顔をした。








「わっ!いきなり何だよ!?大きい声出して!一応職員室なんだからもう少し声をだなぁ…。」








「あ、ご、ごめん。俺、つい…その気になっちゃって…。」








俺は『あはは』と苦笑いをし、姿勢を元に戻す。








「まぁ、遥がそう聞くって事は、お前は彼方からまだ聞いてないって事だよな?」








ええ(´・ω・`;)おもいっきり初耳です。








俺が頷くと、ヤマト兄が『フゥ』とため息を落とす。








「まぁ、きっとそのうち聞くと思うから言うけど…。彼方と一緒に住んでいたっていうのは彼方が蘭藤荘に入る前、もう2年以上も前の話だよ。」








2年前…。ちょうど高校に入る前だよな。
ってことは、まだ彼方が中学生の頃か?








「たしか、3月だったと思う。俺が学校で夜遅くまで仕事していたその帰り道、彼方が公園でしゃがみこんでてさ。俺も新米教師だったし、ついつい『早く家に帰れ!』って声を掛けたんだ。そしたら彼方が『家に帰りたくない!』って言ってまったくその場を動かなかったんだ。だからとりあえず、ここにずっといるのも危ないし、俺が説得して保護したんだよ。」








へぇ。ヤマト兄と彼方の間にそんなエピソードがあったんだ(゚∇゚ ;)
でも、家に帰りたくないって…彼方。家出でもしたのかな?


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