ハルオレ☆ -前篇-


「あ、いや…なんでもないよ。ははっ」








俺は苦笑いすると、愛穂が少し顔にかかっていた髪を耳にかけて呆れるように微笑む。








その様子からして、俺がまた勉強に集中してないのはバレバレのようだ。








はぁ…( ̄▽ ̄;)
俺もいい加減勉強に集中しなくちゃな。
こんなんじゃ、次は本当に愛穂に怒られちゃうよ。







それに来週の追試落ちたらシャレにならないし…。
よし!がんばろう(`・ω・´)






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その後俺はなんとか集中する事もでき、勉強会はかなりはかどったと思える。








そして下校時刻となったので、俺と愛穂の勉強会は幕を閉じたのであった。
勉強会が終わり昇降口を出る頃には、外はすっかり薄暗くなっていた。








話をしている間にわかったことだが愛穂の家は、どうやら隣町にあるようで、俺の寮の近くの駅から電車で二駅先にあるようだ。
帰り道の方向が一緒ということで俺は愛穂と帰路を共にすることしなった。








俺は愛穂と校門をぬけて、二人並んで歩き出す。
そしてまた他愛もない話をしながら歩いていくと、あっという間に蘭藤荘の前までやって来た。








「なんか悪いな。こんな遅くまで…。しかも寮の前まで送ってもらっちゃって…」








俺は蘭藤荘の前で足を止めると、左手を頭に当てて愛穂を見た。








「いいのよ。通り道だし。」








申し訳なさそうな俺に愛穂は安心させるような笑顔を見せた。

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