ハルオレ☆ -前篇-
そんな黙る彼方に俺はそのまま言葉を続ける。
「…そう、もし俺に話さなかったら!彼方がヤマト兄の事を好きだなんて…知ることも…なかっ…」
俺がそう言い掛けた…その時だった。
ドンッ!
俺の言葉を遮るように、また俺の背後の壁が殴られた。
「あーもー、ヤマト兄ヤマト兄ってホントうっとうしいヤツだね。」
その途端、彼方の大きな声が部屋中に響き渡った。
俺はよくわからないが、どうやら彼方の堪忍袋の緒が切れたようだ。
「お前のそうやって「ヤマト兄」って呼ぶところが本当に気にくわないよ。
それと何?その言い方。まるで僕だけが悪いみたいな言い方だよね?」
う…Σ( ̄▽ ̄;)
「あ〜、よく言うよ。勝手に部屋の中に入ってきて僕の趣味を思いきり見たくせに偽善者ぶって上から物を言う…。」
うううっ( ̄▽ ̄;)
たしかに彼方の言い分も確かに間違ってはいない。
(;^ω^)な、何も言い返せない…。
俺は先ほどの勢いを失い、黙りこんだ。
すると、スッ顔を近づけてきた彼方が俺の唇に手を添えて口を開く。
「ほんと、お前のそのうっとしおしい口…。いっそ一生しゃべれなくさせてやろうか?」
そう言った彼方の目は完全に据わり、恐ろしいことを口に割にはとても楽しそうに笑っている。