ハルオレ☆ -前篇-


「あはは。この僕がわざわざ自分の秘密の趣味を他人に簡単に見られるはずないでしょ?」



「うわ〜。やっぱりわざとだったのね。はるちゃん、可愛そう〜。」



彼方と観奈はそのままお互い目を合わせると、二人して笑い出す。



「あ、でも。どうしてはるちゃんなの?」



「え?」




彼方は首を傾げる。



「だって。彼方が他人にそうやって興味示すなんて珍しいじゃない?」



すると彼方は少し考え込むが、



「…ああ。なんでだろうな…。なんか遥を初めて見たときから、すごーくいじめたくなっちゃったと言うか…。」



『あっ』とその答えにたどり着く。



「ある意味一目惚れってやつ?」



「もー!本当にドSなんだからー。」



「なんだよ!人聞きが悪いな〜。…ま。でもこれでこれから毎日楽しくなりそうだよ。」



「そうね。楽しくなるといいわね!」



「ふふっ…………ホントにね。」



俺はそんな二人の会話を聞かなくて本当によかったと、心から思いました。
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