ハルオレ☆ -前篇-
「あ?」
大樹さんが下を向いていた顔をあげ、俺を見た。
「なんか俺のせいで帰ってもらうの、悪いし。
…その、大樹さんさえよければ、いてください!俺は、用事が済んだらすぐに帰りますから。」
俺のせいで帰ってもらうわけにはいけない。
俺は写真をとったらすぐ帰りますから、大樹さん帰らないで下さい。
「だとよ。ヤマト。」
大樹さんは、嬉しそうにヤマト兄を見上げた。
「あ、ああ。」
「別に俺は、かまわねーけど?」
「ま、まぁ。遥がそう言うなら…。」
すると大樹さんは、履き始めていた靴をぬぎ、ヤマト兄の部屋の中に戻っていった。
はぁ〜( ̄▽ ̄;)
よかった…。
「じゃあ、遥。とにかく、中へ…。」
ヤマト兄は、俺にそう言うと部屋の中へと入っていった。
「うん。お邪魔します。」
俺は、ヤマト兄を追うように部屋の玄関に入り、扉をゆっくりと閉めた。